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9月の入賞句 コメント  投稿者:箱の番人 投稿日:2022/03/12(Sat) 13:21 No.32

折山選
特選
「ただいま」の夫のリュックにススキ立つ
 臨場感あふれ且つ新鮮。つまを亭主として「に」を取り、ススキもすすきとひらがなにすれば尚良い。
「ただいま」の亭主のリュックすすき立つ
秀逸
海の風番屋のすすきゆれやまず
 手練れの情感。心に沁みる。
 他の選者から「風とゆれがダブるので、「石狩の」などと上の句に地名を持ってきても良いのでは?」とい  う意見があった。
道草のわんぱく小僧曼殊沙華
 曼殊沙華が動くかもしれないが微笑ましく句の姿もいい。
並選
潮鳴りや色なき風の渡りくる
 秋になると潮鳴りがする。それは夏の喧騒が去ったからかもしれない。
 切れ字「や」を使っているので下五を連体形にした。文語をよくご存知。
木賊刈る住む人ひとりふたり減り
 よくあるかも知れないが、地方の実感。

星 選
特選
柔肌に浮かぶ爪痕二日月
 柔肌に二日月の季語の使い方が上手ですね。爪との取り合わせが良いと思います。艶っぽくて素敵な句です ね。
秀逸
稗搗きや唄に伝ふる哀し恋
 那須大五郎と鶴富姫の物語と知りました。宮崎県の民謡。宴席歌として広まったそう。 秋は哀しい恋が似 合いますね。
穂すすきの揺るる重さを生けにけり
 重さを生けるという表現と、けりで言い切っているのが良いと思います。
並選
鈍色の海原はるか鳥わたる
 遥かに海原、群れをなす渡り鳥。自然の雄大さが伝わってきます。
道草のわんぱく小僧曼珠沙華
  わんぱく小僧と曼珠沙華の取合せが面白いと思いました。曼珠沙華の赤色がわんぱく小僧に負けていませんね。


2021年9月の入賞句  投稿者:箱の番人 投稿日:2022/03/12(Sat) 13:17 No.31

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2021年9月の投句箱  投稿者:箱の番人 投稿日:2022/03/12(Sat) 13:15 No.30

@耳たぶの熱きにふれて居待ち月              つぐみ     
Aかりがねや初冠雪の富士真青               むじな
B無花果の乳の粘つく指の先                 むじな            
C鈍色の海原はるか鳥渡る                  むじな
D鷹渡るビルの谷間の父の墓                 むじな
E秋天の青へロビング斬り込めり               むじな
F呼びかけに小首を傾ぐ蜥蜴かな              亭主関白
Gトーチキスつなぐ炎や秋高し                亭主関白
H畑案山子はやり病の中に立つ                亭主関白
I木賊刈る住む人ひとりふたり減り             亭主関白
J墓残す不帰の古里虫の秋                  亭主関白
K尾花ゆれ横ぎる猫の色黒き                明日葉
L棟梁のきらりピアスの秋夕焼               明日葉
M波打つや箱根路歩く芒原                  めがね
N秋日和パンツに選ぶイヤリング               めがね
O相ま見え話しに更ける良夜かな              めがね
Pバケツ中束ね売らるる鶏頭花               めがね
Q敬老日敬の字見つめ吾を見つむ             めがね
R通い道掃き清めるは尾花かな          月見中福
S芒原ポニーテールが見え隠れ           月見中福
㉑満月の耳飾りアフリカの夜            月見中福
㉒道草のわんぱく小僧曼珠沙華          月見中福
㉓分かれ道君を隠せし薄原             粋果
㉔孫帰りススキのミミズク一人ぼち         粋果
㉕痛み経て耳朶にダイヤの露一つ          粋果
㉖焼きたての栗に触れ耳たぶに触れ        粋果
㉗柔肌に浮かぶ爪痕二日月             粋果
㉘曼珠沙華空家表札つけしまま          馬の骨
㉙江ノ電の窓はアングル秋の海           馬の骨
㉚潮鳴りや色なき風の渡り来る          馬の骨
㉛野分立ちふくらみへこむ帆布かな        馬の骨
㉜蛇笏忌や郷に居住まい正しゅうす        馬の骨
㉝耳珠光るフェルメールの絵宵の闇         虫泣
㉞穂芒や交互通行石落下               虫泣
㉟イヤリング眺めて過ごす降り月         星籠
㊱名月や各地の友と繫がれり            星籠
㊲中秋に友と集いし松竹座            星籠
㊳コロナ前旅に明け暮れ蘭の秋           星籠
㊴稗搗きや唄に伝ふる哀し恋           谺
㊵塩まきてぽんぽんぽんと相撲取         谺
㊶背の吾子の耳触る癖秋の空          野鶲
㊷ふるさとの子らのみみたぶ秋の色       咲木かおる
㊸すすきのや人買ひがひとかいそびれ      荒智十三
㊹いちめんの野焼き青天の雲となる       荒智十三
㊺ウィンドウに映る秋天ピアスゆれ        荒智十三
㊻海の風番屋のすすきゆれやまず         荒智十三
㊼むれとんぼ羽音重ねて夕惜しむ         丹
㊽穂すすきの揺るる重さを生けにけり      ういらぶうい
㊾耳もとでないしよないしよと秋の声       ういらぶうい
㊿皇室カレンダーいかに九月尽           ういらぶうい
51新蕎麦ぞ蘊蓄よそにつゆ浸し          ういらぶうい
52秋高し売出し墓地の二人連れ          ういらぶうい
53秋灯下読む猫の耳嬲りつつ           虚村
54白芒前も後ろも更地かな            虚村
55「ただいま」の夫のリュックにススキ立つ           野鶲



8月 入賞句へのコメント  投稿者:箱の番人 投稿日:2022/03/12(Sat) 10:17 No.29

荒井選
☆特選句
新走り表面張力ちょと揺るる  団地乃広場
 呑兵衛の表情が想像される。升酒と思いたい。それが表面張力になるまで注ぐ。それを溢すまいとする作者の意も窺われる。「ちょと揺るる」の表現もなかなかである。

☆秀逸句
案山子立つ乳房雲の真下かな   黙黙念念
 乳房雲は文字通り乳房の様に垂れ下がった黒っぽい雲である。夕立とか大雨の前兆の不気味さを感じる。その真下に案山子とは何ともはや何の因果か……。

鰯雲ジンギスカンの煙立つ    紅あずま
 一読した瞬間 焼かれているのは羊の肉ではなく鰯。それも鰯が美味しそうに煙を立てている。強みのあるフレーズであるのに季語を際立たせている見事さよ。

白芙蓉青空のまま暮れにけり   虚村
 「暮れにけり」とスッキリ言い切っている見事さ。それに「青空のまま」と強調されているが読む人は敢えて夕日に染まった雲も視界にあるかに深読みしたくなる。依って 白 青 茜色のコントラストが眼裏に反映して来る。

☆並選
でんぐり返し天地無用の鱗雲   黙黙念念
 前転後転しながらも天地が目まぐるしく入れ替わる。子供の頃が懐かしく蘇り 臨場感が 溢れて来る様な一句である。

敬老日鶴亀算を解きにけり    団地乃広場 
 心身共に現状を維持したいと思う様になった今日この頃 計算を解く。答えは合っていた。この分だと先ず先ず大丈夫と言い切っている。

頼らるるひとになりたし柿のへた  団地乃広場
 頼られる人になりたいと言う願望と来て「柿のへた」と言う落ちが気に入った。熟練した人の句であると一目瞭然である。

秋蝉の恋は大樹に鎮もれり    黙黙念念
 蝉の生態は木の皮に穴を開け その中に卵を産む。その知識を元に恋を大樹に鎮めたとは上手い表現である。秋ともなれば恋の季節も終盤なのだろうか 寂しさを感じる。

整骨院のそとに骸骨星月夜    紅あずま
 これまでの俳句には見られない句である。あくの強い骸骨と言う物に対して 星月夜と言う季語に依って さらりと仕上げた事に唯唯脱帽。

芦野選
☆特選
 案山子立つ乳房雲の真下かな   黙黙念念
乳房雲は嵐の予兆。下降気流が発生し竜巻となることもある。大きな雲と小さな案山子が対比される。乳房雲は秋の実りへの脅威であるとともにたらちねの恵みの雨ももたらす。人の力は頼りない限りだが、案山子の姿は凛々しいではないか。

☆秀逸
 うろこ雲熱き番茶を淹れなおす    ちび丸
鱗雲の秋空を茶も忘れて見ていたのであろう。その時間経過が表現されている。且つ淹れ直した番茶の熱が秋らしい空気を感じさせる。

 整骨院のそとに骸骨星月夜      紅あずま
整骨院の外にある骸骨とは看板絵なのか。その実際がどうであれ、整骨院から骸骨がそとに出ているのは少々間抜けた感がある。ただの夜ならそれでも気味が悪かろうが、星月夜となるとメルヘンがある。骸骨も星を讃嘆しているかのよう。

☆並選
 鰯雲海よりの風軒を抜け      荒智十三
海にかかった鰯雲の遠景と軒の近景の対比。吹き抜ける風の景色が大きい。

 菊日和洗い晒しのスニーカー     団地乃広場
菊日和、洗い晒し、スニーカーの三要素がそれぞれに共鳴し合っている。

 白靴の白靴のまま仕舞ひけり     ワクチンごもり
白靴をリフレインさせ二回目の白靴は外出に使われなかった意に用いた工夫、「し」の頭韻を三度入れた工夫が面白い。ただし、季節は秋なのだが白靴が夏の季語であるという点が議論を呼ぶ点。また今年はコロナ禍で外出できなかったのだろうという文脈で、意味は分かるが、来年、再来年は分かるだろうか。時事句の命は驚くほど短い。


 通院の母に一枚涼新た       紅あずま
「涼新た」は清々しい季語だが、病を得た母にとっては違う。「一枚」の単純さが季節の変わり目を簡潔に表現。

 野紺菊母に似てきし鏡かな       めがね
句柄も内容に似て楚々とした風情。良質な美意識を感じる。

 合掌す上り車窓に大文字     冬扇
何を祈られたのか。大文字焼きの火が見えてくる。旅行の思い出が簡潔に記録されている。


2021年8月の入賞句  投稿者:箱の番人 投稿日:2022/03/12(Sat) 10:13 No.28

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2021年8月の投句箱  投稿者:箱の番人 投稿日:2022/03/12(Sat) 10:11 No.27

兼題 うろこ雲
@うろこ雲熱き番茶を煎れなおす    ちび丸
A五輪てふ麻酔切れたりうろこ雲     つぐみ
B空きビルの窓いっぱいに鰯雲      パクチー
Cうろこ雲天なお高し微熱の床     パクチー
Dうろこ雲目で追う天のあみだくじ   パクチー
E密ならず間もほどほどようろこ雲   葉月
Fうろこ雲パラリンピック始まれり    団地乃広場
Gブラスの音(ね)聞きつ見上げるうろこ雲    粋果
H心地良き風に口笛うろこ雲      粋果
I鰯呼ぶ鱗眩しき窓の外        粋果
J案山子立つ乳房雲の真下かな    黙黙念念
Kジェンダーの差別無き世や鱗雲   黙黙念念
Lでんぐり返し天地無用の鱗雲   黙黙念念
M鰯雲ジンギスカンの煙立つ      紅あずま
N隧道を抜けてひろがる鱗雲      めがね
O鰯雲追はれるやふに生きて来し    ワクチンごもり
P鱗雲草笛を吹く牧の子ら        荒智十三
Q鰯雲海よりの風軒を抜け      荒智十三
R鱗雲昨日と違う海の色        荒智十三


兼題  スニーカー
S ランナーの歩幅に合わせ法師蝉     パクチー
㉑ シューズ底ひょろり貼り付く秋の影   パクチー
㉒ 菊日和洗い晒しのスニーカー      団地乃広場
㉓ 空高し並びて歩むスニーカー    粋果
㉔ 洗い立てのスニーカーに蟷螂日曜日    粋果
㉕ 日焼子のスニーカーの跡白すぎる    黙黙念念
㉖ 輪踊へ飛び入る女スニーカー     ショウタイム
㉗ 上履きに恋をしのばす星祭      紅あずま
㉘ 野山行き草の実まみれの靴笑う  ちび丸
㉙ 美術展これが一番スニーカー  めがね
㉚ 白靴の白靴のまま仕舞ひけり   ワクチンごもり
㉛ 万緑を行くスニーカー色とりどり   荒智十三
㉜ スニーカーの子ら晩夏光に包まれて    荒智十三

自由題
㉝ 孫と見し打揚花火削除され       葉月
㉞ 新走り表面張力ちょと揺るる     団地乃広場
㉟ 敬老日鶴亀算を解きにけり      団地乃広場
㊱ 頼らるるひとになりたし柿のへた   団地乃広場
㊲ 秋蝉の恋は大樹に鎮もれり      黙黙念念
㊳ 吾を背負い逃げたよと母終戦日    ショウタイム
㊴ 本日のメダル数へて月見豆      紅あずま
㊵ 通院の母に一枚涼新た     紅あずま
㊶ 整骨院のそとに骸骨星月夜   紅あずま
㊷ 野紺菊母に似てきし鏡かな    めがね
㊸ 落蝉や乗せれば指に絡まれり    めがね
㊹ 無花果のひよつとこ顔の皮を剥く    めがね
㊺ 合掌す上り車窓に大文字        冬扇
㊻ 門過ぎる子らのさざめき休暇果つ 虚村
㊼ 白芙蓉青空のまま暮れにけり  虚村
㊽ 猫の腹生温かし秋はじめ  虚村
㊾ 白シャツに素肌の透くる日照雨かな  ワクチンごもり
㊿ 枝払ふ女庭師や影法師       ワクチンごもり
51 歯の白き女庭師や法師蝉      ワクチンごもり
52 病窓や晩夏の風に花ゆれる      咲木かおる







6月・7月の入賞句コメント  投稿者:箱の番人 投稿日:2022/03/12(Sat) 10:07 No.26

折山選
特選  大瑠璃や賀茂源流のひと雫
   手練れの一句。切れ字を入れて引き締め、用言を使わず気持ちの良い句に仕立てま  した。
   豊かな自然と清涼感に満ちています。
秀逸  水切りの小石の光る晩夏かな
   晩夏の光が川面に射し、水切りの小石が光りながら飛んでいく。小石が光るところが印象的でした。
   川面が光るでは普通のことです。
   唯、作者は「光る」を終止形として詠んだのか、それとも晩夏にかかる連体形として詠んだのか、訊いて    みたいと思いました。
   もし前者とすると「小石光れり」の方がいいかなと。
   切れがはっきりします。
    泥に生き無垢三昧の蓮かな
   泥と無垢の対比が鮮やか。そして蓮に己の生き方を仮託しているようにも読める。作者はベテランでしょ    う。
並選  ペコちゃんに少し小さな夏帽子
   誰にでもなじみのあるペコちゃんの可愛い姿が鮮明に描かれました。「少し小さな」が微笑ましい。
    麦藁帽とばし谷間の深さ知る
   「とばし」は他動詞。従って単に風に飛ばされたのではなく、自分で飛ばしたか、あるいは自分の意志で    はなくても、「飛ばしてしまった」自分の責任を感じている。
   そして谷の深さを知った。作者の存在感がある印象的な景です。

星 選
特選 大瑠璃や賀茂源流のひと雫
 「大瑠璃や」の切れがいいと思いました。源流と大瑠璃の色、源流とひと雫。呼応しあって上手だなあ。画がなにより綺麗。

秀逸 梅雨明けの街に楽隊旗旗旗
 梅雨明けの爽やかな空気が感じられます。楽隊の音も澄み切っているのでしょう。旗の連続で数と風の感じが伝わりました。

   姿見に威儀を正してパナマ帽
 大切な用事、久しぶりに人に会うのですね。「威儀を正して」がそれを表しています。  「姿見」は全体を見るオシャレさんかな。

並選 水切りの小石の光る晩夏かな
  「晩夏かな」が、せつない気持ちで石を投げているのですね。

   降りしきる雨の茅の輪にまたひとり
  雨にも関わらず茅の輪に頼りたい人がいます。「またひとり」がいいと思いました。


2021年6月7月の入賞句  投稿者:箱の番人 投稿日:2022/03/12(Sat) 10:03 No.25

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2021年 6月 7月の投句箱  投稿者:箱の番人 投稿日:2022/03/12(Sat) 10:01 No.24

@初恋も失恋もまた夏帽子    ちび丸
Aペコちゃんに少し小さな夏帽子   ポコちゃん
B梅雨明の街に楽隊旗旗旗     ポコちゃん
C海の見える墓地さわやかな夏の風  荒智十三
D炎昼や墓苑のそばの保育園     荒智十三
E雑草と云ふ名の草無し夏香る    荒智十三
F木漏れ日の参道に鹿の立止る   荒智十三
G西日激し父母のいる過疎の町     咲木かおる
H荒れ庭や自転車かごの夏帽子    ぱせり
I野球帽つばの先の入道雲     ぱせり
J麦藁帽とばし谷間の深さ知る   荒智十三
K山手からアイスクリンと坂下る  異人さん
L近澤のレースがみやげ夏休み  異人さん
Mキタムラのショーウィンドウに花火咲く  異人さん
N稲妻や昨夜の罪を暴くごと   ハマっ子
O夏帽子の鍔に隠れし人見知り  眠り猫
P思い出と砂の残りし麦藁帽    眠り猫
Q海に消ゆ風に奪られし夏帽子   眠り猫
Rたまくすの木陰に思う歴史かな  眠り猫
S汗拭きて港眺める霧笛橋      眠り猫
㉑戻り梅雨みなとみらいをLEGOで組み  ぱせり
㉒戻り梅雨箱のまんまのハイヒール   ぱせり
㉓夏帽子家族写真のいじけ顔   頓珍漢
㉔油照り廃線レール今はなく     頓珍漢
㉕桟橋へ寄す雲海の波頭      頓珍漢
㉖水切りの小石の光る晩夏かな   頓珍漢
㉗歩みさる影いつの間に夏霧ヘ  頓珍漢
㉘鍔広の夏帽ぬしを待ちにけり  アパッチ
㉙泥に生き無垢三昧の蓮かな   アパッチ
㉚千体の地蔵の視線受く晩夏   アパッチ
㉛大瑠璃の緑一閃籠り沼     アパッチ
㉜大瑠璃や賀茂源流のひと雫  アパッチ
㉝顎紐に海のにほひや夏帽子   虚村
㉞夏痩せや海面に映る街明かり  虚村
㉟鍵開けて猫外に出す熱帯夜   虚村
㊱夜漱ぎや胸ポケットに半券が  虚村
㊲声弾む園児ら今朝は夏帽子       倒木
㊳ハマスタやこれ結界か五輪夏       倒木
㊴くちなしの無垢の花咲く朝かな     倒木
㊵降りしきる雨の茅の輪にまたひとり   倒木
㊶日の盛り呼吸を整えさあ接種       倒木
㊷気に入りの帽子庇いし夕の雨        粋果
㊸夏帽子虫取り網に花籠に         粋果
㊹万緑に負けじと在りし競馬場跡        粋果 
㊺朝粥の途中始まる蝉の声          粋果
㊻真夏日は地図を眺めてハマ思う        粋果
㊼コロナ禍で遠い横浜麦わら帽子      一凛
㊽浜風の鼻腔抜けゆく夕立前       ねんころりん              
㊾姿見に威儀を正してパナマ帽     ねんころりん                  
㊿目標は源氏卒読夏休み         ねんころりん
51部屋干しの除湿機の音送り梅雨     ねんころりん  
52暗渠せし梨園の裂果夏出水       ねんころりん




2021年5月の入賞句コメント  投稿者:箱の番人 投稿日:2022/03/12(Sat) 09:58 No.23

荒井選
特選
太極拳の片足立ちや風薫る   げんごろう
片足は地球に居着いている。ポーズは此の形に決まったばかりなのか次のポーズに移る間際か いや息を止め暫し此の形を維持している最中と思いたい。季語が気持ち良い。
代搔や姥捨山の乱反射     みのるんるん
固有名詞を使う事によって成功するか否か問われる事がある。此の句は大成功したと言えよう。「乱反射」により「姥捨山」が際立って来る。又季語を上五に持って来て「や」の切れ字で心地良く納まっている。
秀逸
飴色の頁をめくる桜桃忌     ぱせり
忌日の季語の使い方は難しい。「飴色のページ」により昭和レトロの雰囲気がマッチしていて上出来。太宰治の書を読みこなしている作品と思える。
黒南風の岩礁波を遊ばせり     ちんぷんかんぷん
岩礁が見え隠れしている。波1打1打は同じ様は二度とない。それを「遊ばせり」と表現したのか……。
入梅や古紙回収の文庫本     みのるんるん
先ず古書特有の匂いを感じた。良くある情景であるが句柄として情感が湧いてきた。
並選
阿夫利嶺の影を揺らせる代田かな    げんごろう
引かれたばかりの水は揺めき苗を植えるばかりになっている。形の良い峰は豊作を予兆しているかの様だ。
頁繰る病室の窓燕来る         ちび丸
窓の近くに巣があるのかな。回復が近い感じがする。
哲学もコミックもある曝書かな     三振アウト
虫干しをしている光景に難しい書ばかりでなく コミックもあって「かな」と言う詠歎により安堵感を与えてくれる
千枚田上がり下がりの田植笠      ちんぷんかんぷん
棚田だとすぐ解る。上がる人下がる人のすれ違い。その姿が田水に映り より賑やかさを増している。
ランドセル小さくなりぬ衣更      みのるんるん
季語の取り合わせが意外で面白い。ランドセルが小さくなったと言う事は服もあれこれ着れなくなった。まだ傷んでいないのに。反面 成長は親にとつては嬉しいものである

芦野選
特選
千枚田上がり下がりの田植笠    ちんぷんかんぷん
田植えといえば、一列になって苗を植える平面的な姿を想像してしまうが、この句は縦の動きを入れてきた。「棚田」と言えば説明的に響くところを「千枚田」とし豊穣への期待を膨らませた。
秀逸
太極拳の片足立ちや風薫る     げんごろう
片足立ちという不安定な姿勢に風が渡る。風の勢いを言わず「風薫る」の季語を選択した良さが光る。風の優しさだけでなく、周囲の新緑も自ずと表現。

鷺降りてたちまち光る夏の川    げんごろう
この句は、鷺の降り立つ姿を追う作者の視線が夏の日差しを反射する川と出会ったことを表現したのみ。鷺と川に何の因果関係がある訳ではない。しかし「たちまち光る」と感じた瞬間は、作者独自の大切な瞬間。句はその大事な瞬間をピン留めした。

入選
 飴色の頁をめくる桜桃忌     ぱせり
 入梅や古紙回収の文庫本     みのるんるん
昔読んだ本を読み返したり、惜しいと思いながらも捨ててしまったり、どちらの句にも古書への尽きせぬ愛情が流れている。

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