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3月の投句一覧  投稿者:箱の番人 投稿日:2022/04/01(Fri) 10:26 No.45

三月の投句一覧  俳号無し
兼題 音
@春の虹七音階のあるやうな
A春時雨屋根へ庇へ音変えて
Bしゃぼん玉一生涯の無音界
C賽銭の音のかろさや退院の春
D琴の音はつま弾く指を大切に
➅ジェット音切り裂く先の春の空
F靴の音「夫お帰りと」春の月
G翡翠の睦み合う音謗る音
H無音の病室スリッパに落花ひとひら
I森なかの笛の音や蛇穴を出づ
J春草やのたり聞こゆる馬頭琴
K酒片手浅蜊の開く音を待つ
L囀りの主はどこかと木を仰ぐ
M黒塀に長唄三味線春の宵
Nエレベーター到着音の十二階
O小銭入れ十円百円ぶつかりて
Pありふれた空に広ごる春の音
Q春泥に牛の鈴音とまりけり
R春疾風しどろもどろの波の音
S鼻濁音の歓声漏るる花吹雪
兼題 春泥
㉑学生が春泥ざくざくスニーカー
㉒春泥や坂へ踏み出す一歩二歩
㉓踏み出してその深さ知る春の泥
㉔春泥や夫の手を借り鎌倉路
㉕春泥や門付け鬼の踏む大地
㉖春泥を避けて出会うは初の道
㉗春泥を厭う少女ら声高し
㉘避けるも踏むも駅前春の泥
㉙春泥や小さき足跡二つ三つ
㉚春泥や運河に並ぶ倉庫群
㉛春泥の運河人影まばらなり
㉜春泥に足をとられし児の泣けり
㉝母と子に春泥跳ねる日差しかな
㉞春泥や土塀にこもを掛けしまま
㉟春泥や鉄屑の戦車連隊
自由題
㊱雪解急流木瀬々にへし合へり
㊲初蝶のひらりと出合う昼下がり
㊳手力男磯巾着を揺らしをり
㊴蟻穴を出る蟻を踏む独裁者
㊵春みなと別れの曲のおけさ節
㊶春霞興奮気味の夫なり
㊷結願へ十の観音春兆す
㊸ポンポン船艀引きゆく春の風
㊹嶺々に銀色の雪残りをり
㊺春日差し小窓の並ぶ倉庫群
㊻つくしんぼ黒き指先みせあえし
㊼瑠璃たては追ひつ迷子の涙かな
㊽漁網編む老の手さばき鳥雲に
㊾ローアングルのおかめざくらや車椅子
㊿犬ふぐり質問責めに遭ひにけり
51しゃがみこむ揃ひの帽子仏の座



2022年2月の入賞句へのコメント  投稿者:箱の番人 投稿日:2022/03/12(Sat) 14:08 No.44

折山 選
特選
土塊をほぐす匂いや余寒なほ

早春の感覚がよく捉えられています。匂いばかりでなくほぐされた土の触感までも伝わってきます。語句の構成も中七の切れ字「や」がいきています。ただ望むらくは「なほ」が歴史的仮名遣いになっているので「匂い」も「匂ひ」としたら如何でしょうか。

秀逸
蒲公英の絮旋風に抗わず

たんぽぽの綿毛が風に身を任せ飛ばされていく一瞬を捉えました。風に飛ばされることを、風に抗わずと表現した点を評価しました。

七段の雛おはします苫屋かな

七段の雛とはかなり豪華なお雛様なのでしょう。それが苫屋という粗末な小屋に飾ってあるという。その落差が妙味ですが、実際は旧家のお屋敷を謙遜して表現しているのかもしれません。それはそれとして、なかなか味わいのある句だと思います。

佳作
銀色の声響きをりカーリング

銀色の声という措辞に感心しました。ストーンが滑ると同時に氷の上を選手の声が響き渡った先日のオリンピックの映像がまざまざと浮かびます。ただ、カーリングはまだ季語になっていません。無季の句として戴きました。近い将来季語になるのではないでしょうか。

淡雪や蕾ほんのり紅をさす

うっすらとした雪景色の中、開花間近の梅の蕾か桜の蕾か、ほんのり赤くなっているという景にまず引き付けられます。私も経験したことがあるので共感しました。

残り日を数えてみたし鳥帰る

作者にとって残り日とは何をイメージしているのでしょう。人生の残り日か、嫁ぐまでの残り日か、いろいろなケースがありそうです。読者は読者としての残り日を想定して鑑賞したらいいと思います。私はどこか切なさを感じました。句としてもきちんと切れが入って良いですね。

星 選
特選
猫柳利休鼠にふくらめり

  猫に鼠。作者の遊び心がいい。

秀逸 
外つ国の鼓草とや風掴む
  ほとんどのタンポポが外来種ときく。タンポポと言えば風を連想させるが下五
  に工夫がみられる。
土塊をほぐす匂いや余寒なほ
   や で切れて土の匂いを受け取った後に「余寒なほ」
   味わい深い句。
並選
寄り道のマックの黄色春の宵
   小腹が空いてコーヒーでも飲んでいるのだろうか。
   マックの黄色。その黄色に菜の花を連想した。春の宵と寄り道。ゆったりとした
   時間を感じる。
七段の雛おはします苫屋かな
    七段の雛は豪華。おはしますと言いながらの苫屋。
    かなの詠嘆がさらに可笑しみを増す。


2022年2月の入賞句  投稿者:箱の番人 投稿日:2022/03/12(Sat) 14:05 No.43

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2022年2月の投句箱  投稿者:箱の番人 投稿日:2022/03/12(Sat) 14:03 No.42

兼題 色
@銀色の肌もあらわに猫柳                凛
A段丘の色の移ろひ鐘おぼろ               夢見る乙女
B温色の子猫のまなこまだ開かぬ             鶫
C始発バス色とりどりの春コート             月見中福
D寄り道のマックの黄色春の宵              月見中福
E黒色のレギンスの女駆ける春              弾機        
F七色のチヨツキの釦春野ゆく              イチゴちゃん
G銀色の声響きをりカーリング              鶫
Hデジタルの音色やはやは春の昼             夢見る乙女
I差し色のマスクコーデや出勤日             ねんころりん
J入学や選り取り見取りの色衣              支離滅裂
K幾数多色の溢れる春の原                粋果
L空色に緑一刷毛揺れ柳                 粋果
M色の無き停車場の街雪模様               荒智十三
N子の駈ける春浅き色の公園に              咲木かおる
兼題 たんぽぽ
@外つ国の鼓草とや風掴む                夢見る乙女
Aたんぽぽや女の跳ねる鬼太鼓              弾機
B大地張る蒲公英の葉そこ此処に             イチゴちゃん
C蒲公英の絮旋風に抗わず                夢見る乙女
D蒲公英の憧憬消えゆく朝の道              紅葉
E蒲公英や君の未来を掴み取れ              ねんころりん
F犬じゃるる蒲公英の絮(じょ)のふわふわに        支離滅裂
Gたんぽぽの集合写真隅に指               月見中福
Hたんぽぽを踏し怪獣ベビー靴              粋果
I蒲公英を一つ浮かべし手水鉢              粋果
J子供らに摘まれぬままのたんぽぽや           粋果
Kオオバコを踏みたんぽぽの春やあり           蛙
Lたんぽぽはまだ三分咲き日曇る             荒智十三
Mたんぽぽの冠のせて眠る児よ              荒智十三
Nサッカーの子らは蒲公英踏み蹴って           荒智十三
O蒲公英やチャペルの鐘は坂降る             荒智十三
P病室にたんぽぽを持つ子の見舞い            咲木かおる
自由題
@ミモザ抱きステップ踏んで逢いに行く          凛
A淡雪や蕾ほんのり紅をさす               夢見る乙女
B春の水赤子も吾も育くまれ               イチゴちゃん
C春寒や満月抱え家に着く                イチゴちゃん
Dほうれん草私もポパイ力拳               イチゴちゃん
E残り日を数えてみたし鳥帰る              杓子
F首肩の凝りをほぐすや雛人形              杓子
G七段の雛おはします苫屋かな              弾機
H如月や馥郁たりぬ河津町                ねんころりん
I初誕生前の歩みや春の雪                ねんころりん
J猫山に入るを許さず日向ぼこ              ねんころりん
K土塊をほぐす匂いや余寒なほ              支離滅裂
L抜きん出し蕗の薹旭光の中               支離滅裂
M猫柳利休鼠にふくらめり                支離滅裂
N言の葉のゆき交う子らの卒業式             月見中福



2021年12月〜2022年1月入賞句へのコメント  投稿者:箱の番人 投稿日:2022/03/12(Sat) 13:59 No.41

荒井 選
特選 天
初昔男手前の茶釜鳴る
 除夜の鐘が鳴ると 一秒二秒前は既に昔になってしまう。さぁて 男手前の心意気に茶釜が鳴り出した。かそけくも何と心地よい音色であろうか。「初昔」と言う季語が少々ずっこけていて可笑しさがある。
 地
炉明かりに五指組み直す影絵かな
 親が子に?兄弟姉妹?狐から犬猫鳥と段々難しくなって来る。レパートリーも無くなって来た。何処と無く懐かしい。
 人
モノクロを濃くして寒嶺雪催ひ
 分厚い雪雲に覆われ箱根山は次第に無彩色になって来た。やがて風景は雪景色へと連想される魅力ある句である。
 秀逸句
指切りを繋いだままに除夜の鐘
 相手は誰なのか 故意に繋いだ指を離さずにいたのか深読みをしたくなる。

元朝の日の出合掌地球から
 上五中七までのフレーズは多々あるが 此の句は下五で成功を遂げ ぐんと景を大きくしている。

朝時雨しずく膨らむ青さかな
 雨が通り過ぎ 雫が膨らんで来る中に 青空の青さなのか それとも葉の緑なのだろうか 美しい光景である。

降るごとに同じ綺羅なし六花
 雪の結晶は 一つとして同じ形は無い。天からの便りである。美しいロマンへの目の付け処に脱帽。

寒酒や父の十八番のドンパッパ
 リズム感があり 読む人は自ずと身を踊らせてしまう。季語の効力は多分にある。

 並選
歌留多取る手は速やかにあらぬ方
 意志不随であったのか素早く手があらぬ方に行ってしまって お手付き?あるいは相手への騙し打ち?スピード感がる。

猫は目の虹彩閉じて春隣
 日脚が伸びて来て 猫が瞳を閉じる時間も長くなって来た。これから恋の季節がやって来て 目力も強くなって来るのであろう。ただ一言「虹彩と目」は重複している。一工夫すれば秀逸句になるかも。

春近し川面連なる山の青
 連山は常緑樹の山なのか 晩冬の山を青と表現したのに新鮮味を感じた。

枕辺のくじを夢見の二日かな 
 宝籤であろうか 当たります様にと枕元に。初夢を「二日」にした捻りが効いている。

ひと息に「虎」の一文字筆初め
 作者は恐らく達筆なのであろう。悪筆の選者にとって羨ましい限りである。「虎」の文字が 確と浮かんで来る。

日捲りの少なき日々や毛糸編む
 今年も残り少なくなった。で 急いで編んでいるのか あるいは意外に早々と片付けが終わり 余裕を持ってゆっくり編み始め
たのかも。

朝まだき障子うっすら紫に
 時間帯を使うと 邪魔になる事が多いが 此の「朝まだき」が良い味を醸し出している。夜明けが近づいて来た。濃紫から薄紫に変わって来た所だろうか。

体温と血圧記す初日記
 他人事とは思えない。初日記に記す事に何ともはや。数値が平常値に?今年は良い年であります様に。

芦野 選
特選
ハーケンの音冴え冴えと刻みけり
「冴え冴え」の季語がよく生きている。冬山の堅い岸壁にうちこむ小さいハーケンの音が山の大気の中にしみとおっていく。
「冴え」のリフレインがハンマーと腕の動きを表現。

秀逸
雪深し庭の置物そのままに
庭にある石や灯篭を覆う雪。そのままの位置ではあるが、深い雪は全く違う姿になっているはず。作者はそれを読者の想像に委ねている。

モノクロを濃くして函嶺雪催ひ
箱根の山は雪により墨絵の世界に変容する。その直前の「催ひ」の時を切り取っている。

冬林檎残りし塀の出水跡
秋の出水跡であろうか。災害を越えて実をつけた林檎。人がどう感じようが、そこにあるのは厳しい自然の姿。

冬満月鈴懸に星宿したる
丸い月に丸い鈴懸の実。そこに星も加わり、寒いメルヘンが生まれる、

古時計抱えてゆくや蚤の市
無季の句。ただし、ぼろ市が冬の季語であり、古時計と相まって年末の季感を濃く感じる。

冬怒涛低き家並みふるえをり
「冬怒涛」の荒々しい姿に続く「低き家並み」はまるで波に飲み込まれそうだ。「ふるえをり」は擬人法だが、家並みを擬人化しているわけではない。作者が震えを感じているのだ。

入選

搾乳の手のやはらかに春隣
手の動きに季節感。ただ、「に」は余分。

水中を覗く子ありて春隣
この句も「て」に余分感がある。説明的になる。

隠れ居の梁にまろまろ初雀
隠れ居るのは、この屋の主人か雀か。そのどちらもか。空想が広がる。

熱燗の溢れて皿は人肌に
皿の無機質感が人肌に変じる目眩。

枕辺のくじを夢見の二日かな
初夢を元日から二日にかけて見る夢だという説もあり、くじを枕のそばに置いて見ましょうという下世話さに俳味がある。

日捲りの少なき日々や毛糸編む
新年までの日数が少ないので頑張って編んでいるのか、残り少ないけど悠々と編んでいるのか。さてどっちだろう。

初日影富士冠雪の赤赤と
横山大観の富士を連想してしまった。「初日影」の選択が良かった。

初昔男手前の茶釜鳴る
新年に去年を思う「初昔」という季語の選択に何事かの事情を男が抱えているように想像される。この季語で良かったのかどうか。

山茱萸の芽ふくよかなり濁り空
春の芽吹きの頃の空を「濁り」と捉えた点が良かった。

爺と婆言祝ぎ軽く雑煮膳
爺と婆とがシンメトリカルに並んでいる。そういう美は確かにある。


2021年12月〜2022年1月 入賞句  投稿者:箱の番人 投稿日:2022/03/12(Sat) 13:55 No.40

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2021年12月〜2022年1月の投句箱  投稿者:箱の番人 投稿日:2022/03/12(Sat) 13:53 No.39

兼題 手 (指)
@指切りを繋いだままに除夜の鐘   夢見る乙女
A悴む手真空管の温もりに              局名録
B小さき手風呂洗いおり大晦日            鶫
C爪欠けた指先摘まむ塩銀杏             粋果
D手の甲に老いを見出す空っ風            粋果
E爪先に淡色塗りたし春隣               粋果
F炉明かりに五指組み直す影絵かな         夢見る乙女
G言葉より手振りの多きマスクかな         夢見る乙女
H剃刀の持つ手震える虎落笛              月見中福
I君の手に触れた凍夜が薄れゆく            粋果
J焼き芋の熱さも愛し冷えた指             粋果
Kあと数ミリ触れえぬ指先冬の海             粋果
L歌留多取る手は速やかにあらぬ方            夢見る乙女
M手を延べてワルツを踊る初稽古              めがね
N元朝の日の出合掌地球から                めがね
O霜焼の吾の手包みし母の手や               芋の子
P指差しに安心安全去年今年           素頓狂
Q新札の手の切れさうな老の春          ねんころりん
Rシリウスを指さす人の息白し          荒智十三
S搾乳の手のやはらかに春隣            荒智十三
㉑ブロックを握りて這い這いしてをりぬ      咲木かおる
㉒放課後のストーブに手をかざし見る      咲木かおる

兼題 春隣
@春隣旬の天ぷらほろ苦し           粋果
A窓際に溜まる陽温い春隣           粋果
Bメバル竿しかと手入れを春隣         局名録
C猫は目の虹彩閉じて春隣           局名録
D白き山稜線ゆるむ春隣り           月見中福
E春隣遠浅の海の夢をみる           粋果
F春隣去りし温もりふと思う          粋果
Gダージリン啜る朝の日春隣          めがね
H梢にてイカル啼きおり春隣          鶫
Iラーメンは端麗スープ春隣          鶫
J水中を覗く子ありて春隣           芋の子
K接待の聖地巡礼春隣              素頓狂
L蛭ヶ岳僅かに白し春隣             ねんころりん
M病窓に日のやはらかく春隣         咲木かおる
N菜を切りし二人の娘に春隣         咲木かおる

自由題
@瑠璃色のガラス一面冬の空        凛
A障子無言に白くあり静かな一日     凛
B富士見ゆる紅葉寧し墓参り       凛  
C氷港を白鳥の子はよちよちと      凛
D春近し川面連なる山の蒼        局名録
E初釜や通い畳を心して踏む       凛
F冬ざれや子の斑声の果てしなく     夢見る乙女
G朝時雨しずく膨らむ青さかな      夢見る乙女
H隠れ居の梁にまろまろ初雀        夢見る乙女
Iハーケンの音冴え冴えと刻みけり     局名録
Jモノクロを濃くして函嶺雪催ひ      局名録
K瞬きの途中で消える六花         月見中福
L雪深し庭の置物そのままに           月見中福
Mすがもりの壁にもなれぬ我愚か        月見中福
N凍れるねと挨拶かわす北のまち        月見中福
O春近し枝で見張りの老烏             月見中福
P目潤ませ子を失いし冬の鹿           月見中福
Q熱燗の溢れて皿は人肌に            局名録
R枕辺のくじを夢見の二日かな         局名録
S降るごとに同じ綺羅なし六花         夢見る乙女
㉑朝まだき障子うつすら紫に           夢見る乙女
㉒何もかも遠くなりけり冬の海          凛
㉓われもまた平気で生きよう聖燭節       凛
㉔地吹雪やポケットに渦巻く雪ボール      凛
㉕ひと息に「虎」の一文字筆初め          めがね
㉖朱の椀の真白き餅や富士映ゆる         めがね
㉗吾と亀と無言で向き会ふ三日かな       めがね
㉘初雪の音を街から消しにけり           めがね
㉙砕けたる寒の空気や救急車            めがね
㉚そこここの目貼りをしたり寒の入り       めがね
㉛寒酒や父の十八番のドンパッパ       めがね
㉜糠漬けの蕪かりかりと朝げかな       めがね
㉝日を透かし屋根の雪庇の青さ映ゆ      月見中福
㉞日捲りの少なき日々や毛糸編む       素頓狂
㉟初日影富士冠雪の赤赤と           素頓狂
㊱初昔男手前の茶釜鳴る             素頓狂
㊲寒晴や路地で立ち食む中華饅         犬張子
㊳スコップの音姦しや雪を掻く           犬張子
㊴初社疫退散の絵馬納む             犬張子
㊵山茱萸の芽ふくよかなり濁り空       小切子
㊶鴨の群れことごとく寄る撒き餌かな      小切子
㊷初雪や団地の子らの豆大福            小切子
㊸爺と婆言祝ぎ軽く雑煮膳            小切子
㊹冬林檎残りし塀の出水跡            ねんころりん
㊺冬三日月鈴懸の実の鳴りさうな        ねんころりん   
㊻鰭酒や野毛を愛した樹木希林         ねんころりん
㊼体温と血圧記す初日記            めしやまもり
㊽冬満月鈴懸に星宿したる           めしやまもり
㊾雑煮膳嫁に問はるるカップ麺           めしやまもり
㊿ゲートボール交流跡地エリカ咲く         めしやまもり 
51冬晴や洗濯物に潜む虫               めしやまもり
52母と娘の姉さん被り煤払ひ           荒智十三
53古時計抱えてゆくや蚤の市           荒智十三
54白き路地歓喜の歌の流れけり          荒智十三
55付喪神もののあふるる世となりぬ       荒智十三
56冬怒涛低き家並みふるえをり          荒智十三
57雪晴れや坂のぼる息荒くなる         荒智十三
58鹿の声凍てる湖上をすべりゆき         荒智十三




2021年11月入賞句へのコメント  投稿者:箱の番人 投稿日:2022/03/12(Sat) 13:41 No.38

折山 選
【特選】
連山の遥かに白し大根干す
  連山の白さと大根の白さが調和して、景を一層引き立たせている。
  「遥かに」がうまくはまり、「白し」と切れを入れて引き締まった句になっている。

【秀逸】
太棹の発車メロディ雪模様
  太竿三味線の音色が発車メロディになっているなんて、東北地方の駅でしょうか。その意外性が新鮮でした。語句の構成もいいですね。雪模様でいくつかの演歌が頭をよぎりました。

冬日和嫁ぐ子残す柱きず
  嫁がせる親の気持ちがよく出ていると思います。季語冬日和が利いています。嫁いだ後も柱の傷を見るたびに子供のころの娘を思い出すことでしょう。情緒に流されず、冬日和で切っているところもいいと思いました。

【並選】
冬菫飛行機雲を眺めをり
  さらっと素直に詠まれています。景に共感します。「眺めをり」の主語は作者とも擬人法で冬菫ともとれます。どちらでも句として成り立ちますが、やはり作者でしょうか。

太鼓橋飴を引きずる七五三
  だれでも微笑ましく感じる光景です。ただそれだけに例句がありそうな気もします。しかし、この句会では初心の方もかなりおられ、ご自分の感じたままを句にされて、それが例句のあるものでも良くできていればいいのではないかと思いました。これまでも似たような句は出ていますよという事は勉強してほしいと思います。

山眠る水音清きかずら橋
  並選は2句という原則からすると外れるのですが、景の捉え方が良いので追加しました。山眠るという静かな感じと清らかな水音の感じがよくマッチしていると思いました。
  あえて細かいことを言えば、「清き」と文語を遣っているので、「かずら橋」は「かづら橋」と歴史的仮名遣いにしてほしい。

星 選
【特選】
太鼓橋飴を引きずる七五三 
 中七「飴を引きずる」七五三では有りがちですが、太鼓橋の丸みが飴を引きずらせていることが新鮮に思いました。太鼓橋の朱色、晴れ着の華やかさがあり美しい句です。
【秀逸】
来し方のあれこれ解す古セーター
 毛糸をほぐしている時は、たわいもないことを考えながらの同じ動作です。
「あれこれ」が曖昧にもとれますが、過ぎ去ってみるとこだわりが薄まり「あれこれ」に表現されるのでは?と解釈しました。
「来し方」を解す一本の毛糸は、今に繫がっているのですね。
虎落笛ひと吹き風の又三郎
虎落笛(もがりぶえ)とは寒く風の強い日に、立ち木や家、電線、様々なモノに激しい風があたってヒューヒューと笛のような 音を立てること。不思議くん又三郎のいたずらでしょうか。下五の風の又三郎が効いています。
【並選】
太棹の発車メロディ雪模様 
 この句は仙台の駅ですか? 太棹は細棹、中棹に比べて棹が太く胴も大きい三味線のこと。東北の冬の厳しさとともに、上京へのエール、身の引き締まる思いが太棹の発車メロディから伝わってきます。いい句ですね。
連山の遥かに白し大根干す
 遥か連山の雪景色。そして大根の白。自然の雄大さと日常の営みを詠んでいる。
 味わい深い句ですね。


2021年11月の入賞句  投稿者:箱の番人 投稿日:2022/03/12(Sat) 13:38 No.37

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2021年11月の投句箱  投稿者:箱の番人 投稿日:2022/03/12(Sat) 13:37 No.36

冬鴎橋の上にて風を待つ       ちび丸
セーターの虫食い穴よ灯の漏れて   又五郎
丸橋の確かな一歩虎落笛       又五郎
虎落笛ひと吹き風の又三郎      又五郎
来し方のあれこれ解す古セーター    又五郎のさい
まなうらの誰彼に選る毛糸玉      又五郎のさい
セーターの編み目の奥に誰の髪       鶫
凍蝶や終ひの恋に羽透かす       又五郎のさい
冬日和嫁ぐ子残す柱きず        又五郎のさい
万華鏡取り合う姉妹冬夕焼      又五郎のさい
冬夕焼釣糸磯の香釣りあぐる     又五郎
冬怒涛礁に潜む主跳ねる       又五郎
母編んだセーター着たし繕ふ夜      めがね
枯れ芒鳥井戸橋の左富士         めがね
冬菫飛行機雲を眺めをり       めがね
師は黄泉へ笑顔が遺る神の旅     めがね
小春日や釦はづして街路ゆく     めがね
セーターの模様にちらり白き肌      月見中福
凍星や合鍵放る橋の上          月見中福
街路樹の梢微動に冬の月         月見中福
冬囲い父より目で習いけり        月見中福
オリオンよ自己アピールはそこまでに   月見中福
橋越さば春待つ浄土称名寺        留石
山茶花や根元は赤き花の茣蓙        岐路
公園はたき火厳禁世は令和          岐路
山眠る水音清きかずら橋          鳰
毛糸編む編むひとときの安らけき      鳰
古セーター被れば父の顔に似て      有耶無耶  
しぐるるや欄干ぎりぎり路線バス     有耶無耶  
十夜栗ふるさと次第に遠くなる      有耶無耶
鉢巻のきりきりしやんと御酉様      有耶無耶
限無しに箸の寄り来る大根葉       有耶無耶
また着たる古きセーター娘笑む      紅燕
舟だまり顔は水面へ鴨の列       石燈
セーターに包まれるよな恋ありき     外猫
毛糸編む恋の重さの厭わしさ           粋果
セーターを解く(ほどく)を知らぬ世代かな    粋果
歩道橋手を振る君に時雨虹           粋果
太鼓橋飴を引きずる七五三          粋果
夜を寒み二度と戻らぬ橋渡る         粋果
流氷の橋を渡りてアザラシ来         荒智十三
南下する冬将軍の白き道           荒智十三
冬の雷ダッタン海峡渡り来る         荒智十三
暖炉の火針刺す母と長き夜          荒智十三
積む除雪スロープとなり橇遊び        荒智十三
セーターを編む母白き夜の窓         咲木かおる
遠吠えは海から来たる吹雪なり        咲木かおる
山々は白くなりゆきねむる街        咲木かおる
昭和生き抜きし目詰まりのセーター    あさひとしずく
太棹の発車メロディ雪模様        あさひとしずく
しぐるるやお岩木の裾消え失せて     あさひとしずく
連山の遥かに白し大根干す        あさひとしずく
幼な児も老いも蹴散らす銀杏かな     あさひとしずく
吐息つく場所のひとつは冬の橋      虚村


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